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カテゴリ:文芸(小説・エッセイ・評論)(174/180)

赤い花 : とくな のぞみ | 風詠社eBooks





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タイトル: 赤い花

著者: とくな のぞみ  書店: 風詠社eBooks 

カテゴリー: 文芸(小説・エッセイ・評論)
ページ数: 324
サイズ: 127×188

特記:

電子書籍(660円)は BookWay コンテン堂店 でお買い求めください。

書籍形式








 


本の要約

本書『赤い花』は、四章から構成されています。第一章、赤い花、第二章、西洋絵画の深層心理、第三章、椿姫、第四章、ランカスターの赤い薔薇、です。それぞれのジャンルを示せば、第一章は口承文芸学(グリム童話)、第二章は西洋美術、第三章は人物評伝(十九世紀ヨーロッパの作曲家たち)、そして第四章は歴史(十五世紀イギリスの薔薇戦争)、です。

一見、ばらばらに見える物語の集積ですが、根底を流れるテーマは一貫しています。「弱者に向けられる、あたたかなまなざし」です。

筆者の原点は「心理学」です。「人と人とのあたたかな交わり」に素直に感動し、「ファンタジーは敗者の哲学」という大前提を再確認する、これが筆者の「執筆のテーマ」だったのだと、改めて認識させられる、すてきな作品に仕上がりました。

著者のプロフィール

1962年名古屋市生まれ。
名古屋大学文学部卒。心理学専攻。
精神分析学と口承文芸学の融合をライフワークにしている。

著書に『神話とファンタジーの起源』(幻冬舎ルネッサンス)、『なぞときおとぎ話』(文芸社)、『王女の押印・前編/後編』(一粒書房)、『魔法の布』(青山ライフ出版)などがある。

著者からの書籍PR

本の内容をPRします。今回は[第3章]と[第4章]です。
[第3章]中野京子の著作である『愛と裏切りの作曲家たち』を基礎資料に、ヴェルディ、ヴェーバー、プッチーニといった、高名な作曲家たちの人生を、さらに心理学的に掘り下げました。特に、ヴェルディと『椿姫』は、ユング心理学で言うところの「共時性」の好例です。
[第4章]本章を書き始めたきっかけは、『名画で見るシェイクスピアの世界』という、一風変わったシェイクスピア解説本でした。そこから「『薔薇戦争』について、もっと知りたい」という、筆者の探究心に火が付きました。インターネット記事を読みあさり、ひととおりの知識をまとめ上げることができました。本章の内容を、シェイクスピア歴史劇を読み解く際の、基礎資料としてご活用いただくことも可能です。ぜひご検討ください。

書籍PRの第2弾です。
[第1章]『赤い花』は『美女と野獣』と同じ話型のロシア昔話です。主人公が男性(王子など)ではなく、女性(三女など)の話型は、口承文芸学的に難易度が高いです。近縁のグリム童話やロシア昔話を比較検証し、自分なりの結論をまとめました。
[第2章]木村泰司の著作『名画は嘘をつく』を基礎資料に、主にフランス王室について考察しました。高校の世界史では教えてもらえなかった「公認の寵姫」(アンリ2世にとってのディアーヌ・ド・ポワティエ/ルイ15世にとってのポンパドゥール夫人)は、はたして王妃の「敵」か「味方」かという、ユニークな問題提起です。[第1章]で考察した、[王妃の影=援助者]という発想ともつながっています。

書籍PRの第3弾です。
ヴェルディのオペラ『椿姫』は、ヒロインが高級娼婦という難解なものです。『椿姫』は、娼婦という職業に対する世の中の「差別」の目に、冷静に抗議するヴェルディの魂の軌跡でもあります。筆者の連想は、ここから大河ドラマ『龍馬伝』の長崎の遊女(蒼井優が好演していました)のせりふへと飛び、さらにプッチーニのオペラ『蝶々夫人』のヒロインが、やはり長崎の芸者であったことの不思議さに打たれるのです。
「娼婦」が「命を削る女性の職業」であったのに対し、「命を削る男性の職業」は「兵士」と思われます。筆者の連想は、ここから百田尚樹の『永遠の0』、あるいは宮崎駿の『風立ちぬ』、そして松本零士の『宇宙戦艦ヤマト』へと飛びます。筆者の目には、これらはすべて「人類学的な素材」として映るのです。

書籍PRの第4弾です。
本書285ページに掲載した「王の弟息子の私生児のそのまた曾孫」ですが、白状してしまいますと、掲載時にはまだ「?マーク」がいっぱいで、筆者自身が理解途上でした。今、ようやく謎が解けましたので、答合わせをいたします。[王=エドワード3世][弟息子=ジョン・オブ・ゴーント][私生児=ジョン・ボーフォート(初代サマセット伯)][そのまた曾孫=ヘンリー7世]。王家の系図というのは、とてもマニアックで、ファンタスティック!

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