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スヌーズレンの基礎理論と実際 ―心を癒す多重感覚環境の世界―[第2版]復刻版 : クリスタ・マーテンス 監訳: 姉崎 弘、訳: マティーアス・アンデルス | BookWay書店 学術研究出版





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タイトル: スヌーズレンの基礎理論と実際 ―心を癒す多重感覚環境の世界―[第2版]復刻版

著者: クリスタ・マーテンス 監訳: 姉崎 弘、訳: マティーアス・アンデルス  書店: BookWay書店 学術研究出版 

カテゴリー: 社会科学一般
ページ数: 238
サイズ: A5

書籍形式








 


本の要約

監訳者 まえがき より

2013年に大学教育出版から刊行した本書『スヌーズレンの基礎理論と実際―心を癒す多重感覚環境の世界―(第2版)』がすでに絶版になっていることから、読者からも早く復刻版を読みたいという声を以前からいただいていた。この度、学術研究出版/ブックウェイから第2版の復刻版として本書をリニューアルし刊行できることは、監訳者として誠に嬉しい限りである。今回の刊行に際して、日本語訳を再度若干見直し、より適切な訳になるように修正を加えた。

著者のクリスタ・マーテンス博士は、前ドイツ・フンボルト大学リハビリテーション科学研究所教授である。2002年にフンボルト大学で創始者の一人アド・フェアフールと共にISNA(国際スヌーズレン協会)を共同で設立し、世界に向けてスヌーズレンの理解啓発と研究の推進を図っている。

マーテンス博士は、オランダでスヌーズレンが始められると、一早くオランダに赴き創始者たちと親交をもち、自らスヌーズレンを実践するとともに、それを科学的に研究し理論化を図っている。マーテンス博士は、スヌーズレンを実践と理論の両面から研究してきた数少ない研究者の一人である。

本書では、スヌーズレンを「レクリエーション」のみならず、「セラピー」や「教育」としてもとらえている。創始者は、当初スヌーズレンをリラクゼーション、いわゆる安らぎを与える活動としてとらえていたが、マーテンス博士は当初より、スヌーズレンのセラピーや教育としての側面に注目してきた。私自身も、スヌーズレンの教育的側面に着目して、2003年の第2回国際スヌーズレンシンポジウム(オランダ大会)において研究発表を行っている。今日の世界の認識は、スヌーズレンは「レクリエーションのみならず、セラピーや教育としても活用されている」というものである。このことは、今日創始者も認めているところである。

本書は、前半が理論編、後半が実践編からなっている。理論編は「スヌーズレンの神経学的基礎」「スヌーズレンにおける介護者と教師」「スヌーズレンの中で対話を行うこと」「スヌーズレンが適用される領域」「スヌーズレンの特別な内容と目的」から成る。中でも、スヌーズレンの実践を行う介護者や教師には、脳の神経学的基礎理解が不可欠とされている。また実践編は「スヌーズレンの実際的な単元の使用法」「スヌーズレンの実際的な単元(20の単元)」「付録」から成る。各単元では、単元ごとの目標および段階・時間・目的・内容・準備物(音楽)の項目に沿って、実際の展開例を写真を交えてわかりやすく解説している。スヌーズレンを実践する人々は、この実践の各単元から参考となる情報を入手することができると思われる。

本書の翻訳は、「はじめに」から「第2章」までを姉崎 弘が、「第3章」と「付録」をマティーアス・アンデルスが、それぞれ担当した。マティーアス君は、元フンボルト大学の学生でドイツ語と英語と日本語に精通し、2008年に私がフンボルト大学に留学した際にも、ドイツ語と日本語の通訳を担当してくれた私の友人である。

本書が、スヌーズレンの基礎を理解し実践しようとする福祉・医療・教育などの分野の人々の教科書あるいは手引書として、広く活用されることを願うものである。

著者のプロフィール

■著者紹介
Krista Mertens (クリスタ・マーテンス)

現在 ISNA Snoezelen Professional e.V.代表。前ドイツ・フンボルト大学第4哲学部リハビリテーション科学研究所教授(博士)。2002年にフンボルト大学で、創始者の一人アド・フェアフールと共にISNA(国際スヌーズレン協会)を共同で創設。前ISNA共同代表。

毎年、世界各国でスヌーズレンの国際資格セミナーの講師を担当している。


■監訳者紹介
姉崎 弘 (あねざき・ひろし)

現在 学校法人西大和学園 大和大学教育学部教授。日本スヌーズレン総合研究所所長。前ISNA日本支部長。国際スヌーズレン専門支援士(国際スヌーズレン追加資格)を取得。特別支援教育士スーパーバイザー、自閉症スペクトラム支援士(Expert)。

近年、「スヌーズレン教育」の概念を提唱し、特別なニーズのある子どもに教室でスヌーズレンを活用することで、子どもをストレスから解放し安心感と満足感を導き好ましい学習態度を育むことで、子どものもつ本来の能力を引き出す教育を探求している。また小・中・高等学校等に、子どもが気持ちを落ち着かせ、学習に集中して取り組めるように、特別支援教室の1つとして安全・安価な「スヌーズレンの部屋」の設置を提言している。

ホームページ
http://www.snoezelen-research.jp

主要著書・訳書

『重度知的障がい者のここちよい時間と空間を創るスヌーズレンの世界』監訳(福村出版)
『特別支援教育(第3版)』単著(大学教育出版)
『特別支援学校における重度・重複障害児の教育(第2版)』単著(大学教育出版)
『スヌーズレンの基本的な理解』編著(国際スヌーズレン協会日本支部)
『保・幼・小・中・高校における発達障害のある子を支援する教育』単著(ナカニシヤ出版)
『特別支援教育とインクルーシブ教育』単著(ナカニシヤ出版)
『新教育課程に基づく特別支援学級の新しい授業づくり』編著(明治図書)他。


■訳者紹介
Mathias Anders (マティーアス・アンデルス)

ドイツ・フンボルト大学第2数学自然科学部情報学科卒業。

現在 ベルリン市のGraebert GmbHでCAD(コンピュータ支援設計)のソフト開発に取り組んでいる。
学生時代にマーテンス博士のもとでスヌーズレンの研究に従事する。これまで、バイオシグナルを用いたスヌーズレンの効果に関する研究を行い、国際スヌーズレン学会で独語・英語・日本語の通訳として活躍している。