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復刻集成 生命を原点とする教育 造形と生活環境 何をめざし、どんな教材で実践するのか : 佐藤 昌彦 | 学術研究出版





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タイトル: 復刻集成 生命を原点とする教育 造形と生活環境 何をめざし、どんな教材で実践するのか

著者: 佐藤 昌彦  書店: 学術研究出版 

カテゴリー: 芸術・芸能・語学
ページ数: 106ページ
サイズ: A5

特記: ISBN:978-4911449165

書籍形式








 


本の要約

本書は,有り余るほどの材料ではなく,少ない材料で(必要とする分だけの材料で)多様な発想を生み出すための教材について述べたものです。では,何をめざしてそうした教材を提起したのでしょうか。端的に言えば,次の言葉で表現することができます。

 生命を原点とする教育

 今,あらためて「生命」に眼差しを向け,それをキーワードとして,「生命を原点とする教育」とした最も大きな理由は,2011(平成23)年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故にあります。生命に及ぼした極めて深刻な影響を踏まえ,事故後の教育のめざす人間像を「生命に及ぼす影響に配慮して,よりよい生活環境を創造する人間」としました。生活環境には人間の生活を支える自然環境と人為的環境を位置づけました。

 原発は人間がつくったものです。今後のものをつくる教育においては,自然と対立する造形教育ではなく自然と調和する造形教育をいっそう重視する必要があります。人間は自然の一部であり,自然に支えられてこそ生きることができるからです。その具現化にあたっては,有り余るほどの材料ではなく,少ない材料で(必要とする分だけの材料で)多様な発想を生み出す創造体験を大切にしました。材料は自然の恵み・自然の生命と考え,自然に負担をかけないように配慮したからです。

 本書では,こうした少ない材料で多様な発想を生み出すための教材による実践を自らの手でよりよい生活環境を創造する取組の一つとしました。そして日本の伝統的な造形である「折紙」をそのような教材の規範としました。限定されたなかで無限の可能性をどう引き出すか,そこに価値を見出し,伝統の継承と創造への挑戦を続けてきた日本人の精神的特性が受け継がれているからです。

著者のプロフィール

佐藤 昌彦(さとう まさひこ)
1955(昭和30)年 福島県生まれ
○北海道教育大学名誉教授
○福島学院大学教授
○博士(学校教育学)/兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科
上越教育大学大学院教育学研究科修了,福島大学教育学部卒業
北海道教育大学附属札幌中学校・校長(併任/2012年4月-2016年3月)
北海道教育大学キャリアセンター札幌校センター長

〈主な著書・訳書〉
・宮脇 理(企画・監修),佐藤昌彦(編集),川邉耕一(表紙絵・章扉絵)『復刻集成 宮脇 理の世界 ミライへの造形教育思考―アーキビストの目線で視る―』学術研究出版,2022
・佐藤昌彦『紙による造形―つくろうとするものが思い浮かばない,どうすればいいのか―』学術研究出版,2021
・宮脇 理(企画・監修),畑山未央・佐藤昌彦(編集),山木朝彦(特別 企画・監修)『民具・民芸からデザインの未来まで  教育の視点から』学術研究出版,2020
・佐藤昌彦『次世代ものづくり教育研究―日本人は責任の問題をどう解決するのか―』学術研究出版,2019
・宮脇 理・佐藤昌彦・徐 英杰・若林矢寿子『中国100均(100円ショップ)の里・義烏と古都・洛陽を訪ねて』学術研究出版,2019
・佐藤昌彦(著・抄訳),宮脇 理(解説)『ものづくり教育再考―戦後(1945年以降)ものづくり教育の点描とチャールズ・A・ベネット著作の抄訳―』学術研究出版,2018
・山口喜雄・佐藤昌彦・奥村高明(編著)『小学校図画工作科教育法』建帛社,2018
・宮脇 理(監修),佐藤昌彦・山木朝彦・伊藤文彦・直江俊雄(編著)『アートエデュケーション思考―Dr.宮脇 理88歳と併走する論考・エッセイ集―』学術研究出版,2016