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カテゴリ:歴史・哲学・地理・宗教(39/65)

「場所づくり」の地理思想 アメリカ西海岸の事例から : 杉浦 直 | 学術研究出版





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タイトル: 「場所づくり」の地理思想 アメリカ西海岸の事例から

著者: 杉浦 直  書店: 学術研究出版 

カテゴリー: 歴史・哲学・地理・宗教
ページ数: 260
サイズ: A5

書籍形式








 


本の要約

本書は、「場所づくり」あるいは「場所の構築」に関する事例研究を提示し、併せてそれに関わるいくつかの地理思想についての考察を試みた研究書である。事例はすべて、筆者がここ15年ほど手がけてきたアメリカ西海岸における都市ないし都市内の特定の地区であり、いずれも何らかの意味でエスニシティと関わりをもつ「エスニックな場所」でもある。本書は、序章と終章を含んで、7つの章から成る。序章では、「場所」と「場所づくり」についていくつか概念的な検討を行った後、「場所づくり」あるいは「場所の構築」の視点を色濃くもった英語圏の7つの研究事例を簡潔に紹介する。本論の5つの章は、それぞれサンノゼ日本町、ロサンゼルス・リトルトーキョー、ワシントン州レブンワース、カリフォルニア州ソルバング、そしてシアトル・パイオニアスクエア地区を対象とし、そこにおける「場所づくり」過程を論じたものである。終章では、これら筆者の研究事例および序章で取り上げた英語圏研究事例を材料としつつ、そこから浮かび上がってくる思想、理念、理想、概念装置など(便宜的に「地理思想」と総称する)をできるだけ理論的に検討しその性質を検討するとともに、その思想に照らして各事例で見られた現象の意味を考察した。取り上げた「地理思想」は、「エスニシティ」、「オーセンティシティ(真正性)」、「都市歴史保存」、「ストレス‐シンボル化」であり、それらの考察を踏まえて「場所」と「場所づくり」の本質を再考し、結びとした。

著者のプロフィール

学暦・職歴など:1945年秋田県(現横手市)生まれ、1968年東北大学理学部卒業、1976年東北大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士、地理学)、1978年岩手大学人文社会科学部助教授、1983−84年カリフォルニア大学(バークレイ)地理学教室客員研究員、1988年カリフォルニア大学(ロサンゼルス)地理学教室客員研究員、1992年岩手大学人文社会科学部教授、2005年ワシントン大学地理学教室客員研究員、2011年岩手大学退職(名誉教授)
 主な研究テーマ:東北地方における農村家屋の地理学的研究、アメリカ西海岸地域における日系移民の社会文化地理学的研究、エスニック地理学の方法論的考察、など
 主要著書:『東北の農村家屋―その地理学的研究―』大明堂(1988)、『エスニック地理学』学術出版会(2011)、水内俊雄編『空間の社会地理』朝倉書店(2004)共著(分担執筆)、山下清海編『現代のエスニック社会を探る―理論からフィールドへ―』学文社(2011)共著(分担執筆)など