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カテゴリ:個人史・評伝・一族史(5/13)

天皇の孤児 ある日系カナダ詩人の家族の肖像 : 水崎 野里子 | BookWay書店





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タイトル: 天皇の孤児 ある日系カナダ詩人の家族の肖像

著者: 水崎 野里子  書店: BookWay書店 

カテゴリー: 個人史・評伝・一族史
ページ数: 58
サイズ: A5

書籍形式








 


本の要約

カナダ生まれの日系詩人サリー・イトウ(移民三世)の自伝エッセイ『天皇の孤児』の第一章の翻訳である。

まず、本書はカナダで生まれた日系詩人による、あくなき自己のアイデンテイティ探求、ふるさと探求の記録として読める。次いで、本書の示すものは、日系カナダ移民三世の目と記憶からあるがままに記された自伝的な語りと読める。サリーは日本文学の伝統的なジャンルのひとつとしてある日記と語りの伝統を本エッセイに取り入れた。本書全体が日記文学という日本文学の伝統を英語に転換されていると共に、詩人の父や祖父の遺した日記や親しかった叔母の語りが縦横に入り組みながら、サリーの文章の中で再生する。彼らはサリーの文章の綴りの中で蘇り、雄弁に自分たちの歴史と生活を語り始める。かつての第二次世界大戦をはさんだその語りは、父母、祖父母、叔父や叔母の日系移民の一家族の肖像、歴史的な苦難と生活の喜怒哀楽、家族の結束をあるがままに物語る。それは今、日加の国際交流として、未来へ向けた新たな世代から発信された世界平和への祈願ともなるだろう。

サリーは金子みすゞの詩の英語訳者でもあり、”Are You An Echo?”(「こだまでしょうか?」)を刊行している。本書にも金子みすゞのサリーによる英語訳を二篇入れた。「私のお里」と「ご本」である。

著者のプロフィール

水崎 野里子(みずさき のりこ)
東京生まれ。
翻訳者、エッセイスト、詩人(和歌、俳句も含む)。早稲田大学第一文学部英米文学科卒。同大学文学研究科修士・博士課程修了。博士課程在学中に一年間家族と米国マサチューセッツ州ボストンに一年間滞在・留学。帰途、アメリカ大陸とハワイを家族でレンタカーと飛行機で横断旅行。帰国後、早稲田大学第二文学部英語非常勤講師(1981〜1983)、駒澤大学外国語学部英語非常勤講師(1984〜2020、2020年3月31日付にて定年退職)。英米、カナダ、マケドニアやブラスバキア、ルーマニア、ドイツ、フランス、オランダ、デンマークなどのヨーロッパ諸国、ネパール、インド、中国、韓国、シンガポールなどのアジア諸国、日本国内の旅行、詩祭参加は多い。沖縄、福岡、広島、長崎、大阪、京都、仙台、青森、旭川他。なお、アメリカ合州国はアメリカ翻訳者会議や国際詩人会に参加のため、後年またかなりの都市に旅行、滞在した。現在フリーランス。

翻訳書対訳版:イーヴァン・ボーランド『暴力の時代の中で』(2016, Book Way:ブックウエイ)、
復刻版『英米女性五人詩集』(2018, Book Way)。
共著:新川和江・水崎野里子『おばさんから子どもたちへ 贈る詩の花束』(2018, Book Way)、白石かずこ・水崎野里子『おばさんから子どもたちへ 贈る言の葉』(2021. Book Way)。
翻訳・エッセイ:『シェイマス・ヒーニーの詩と語り 土の力・父の力』(2011, 水山産業株式会社、電子書籍版おいかぜ書房)。
歌集日本語版:『長き夜』、『恋歌』。詩集『アジアの風』、『ゴヤの絵の前で』、『愛のブランコ』他。
バイリンガルアート総合誌『パンドラ/PANDORA』(2015より年刊. Book Way)。

所属:POVカリフォルニアZoom。アメリカ翻訳者協会。日本ペンクラブ、バイリンガル詩誌「パンドラ」主宰。
受賞歴:マイケル・マドフスダン金賞(インド・コルカタ)、隠岐後鳥羽院和歌大賞、世界詩人会議ゴールド・クラウン桂冠詩人賞、BESETO(日中韓首都会議)平和功労賞、他。
2014年度UPLI世界詩人会議大阪大会プレジデント歴任。現UPLI・国際桂冠詩人協会理事。