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カテゴリ:ビジネス・経済・経営(22/39)

反面教師 アベノミクスに学ぶ - Abeconomics Kaleidoscope - : 岩佐 代市





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タイトル: 反面教師 アベノミクスに学ぶ - Abeconomics Kaleidoscope -

著者: 岩佐 代市 

カテゴリー: ビジネス・経済・経営
ページ数: 218
サイズ: 128×188


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本の要約

2018年秋、自民党総裁に三選され、戦後のみならず憲政史上最長の長期政権となる可能性さえ持つこととなった安倍内閣、政治的にはそれだけで十分に脚光を浴びる存在であるが、経済的にも戦後最長の好景気を実現しつつあるとされ、国民の関心は高い。その好景気はみずから打ち出した政策ミックス、いわゆるアベノミクス「三本の矢」の成果によるとさかんに喧伝されている。しかし、国民が期待した(させられた)十分な成果を上げたと言えるのだろうか。またそもそも、そのアベノミクスが十全に奏功した結果だと言えるのであろうか。
本書は、政策体系「アベノミクス」を理論的かつ実証的な側面から、批判的に検証しつつ、政策手段の効果と日本経済の現状に対して正しくかつ適切な理解を得るための素材を提供する意図をもって書かれている。「三本の矢」を取り上げ、各矢ごとの詳細を把握するとともに、これらに対して理論的な観点から検討を加えている。
その結果、「第一の矢」はそれ自体ではデフレ対策に有効でないこと(あるいは、有効性は著しく低いこと)、そのため目標とする2%インフレ率の実現もはかない夢でしかないことを明らかにしている。プラスの効果どころか、むしろマイナスの副作用さえ顕著になりつつある。ゼロ金利策故の金融機関の収益難を通じて金融システムの安定性を損なうリスクさえ高まりつつある。「第二の矢」は「第一の矢」の支援を受けて有こそ効需要増大効果を発揮し得るが、目標の実質GDP成長率2%や名目成長率3%を実現するに至っていない。むしろ、その弊害こそが顕著となっている。すなわち、毎年度の財政赤字額の累積により国債残高がいや増しに増大し、安倍内閣自体が目標の一つに掲げてきた財政収支均衡化の目標も遠い先の的となっている。もはや、これらの矢は使い納めとし、「第三の矢」たる成長のための規制等改革こそが真に求められる政策手段である。しかし、事の性質上、その実現にも成果にも時間がかかるため、政権の力の入れどころは今日まで、短期的成果を狙うための上記二つの矢であったと言わざるを得ない。技術変化や社会構造変化、そして国際関係の変容も著しい今、この「第三の矢」を間断無く、矢継ぎ早やに的に射当てなければならない。

著者のプロフィール

1951年福井生まれ。
神戸大学・神戸大学大学院に学び、同大学および関西大学の教員を経て、2016年3月教授職を退職。
経済学博士(神戸大学)、関西大学名誉教授、CFP認定者。

■主要著作
“ Tolling the Bell for‘ Too-Big-to-Fail’?-A Comparison Between Four Special Bank Resolution Regimes,” Credit and Capital Markets, Vol.50(共著論文、Duncker & Humblot)2017年4月。
「中央銀行制度の役割と機能−役割期待はどこまで膨張するのか−」『関西大学商学論集』2013年12月。
L. アルトフェスト著『パーソナルファイナンス−プロフェッショナルFPのための理論と実務−』(共訳、マグローヒル・エデュケーション)2013年。
『 実学としてのパーソナルファイナンス』(共著、中央経済社)2013年。
『地域金融システムの分析』(編著、中央経済社)2009年。
『 金融システム−構造と機能の変容、および制度と規制の変革−』(関西大学出版部)2002年。
H.ミンスキー著『投資と金融−資本主義経済の不安定性−』(訳、日本経済評論社)1988年。
『金融』(共著、有斐閣)1987年。