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溶液化学と物理化学から見た新しい生物学とその周辺の課題 : 清沢 桂太郎 | 学術研究出版





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タイトル: 溶液化学と物理化学から見た新しい生物学とその周辺の課題

著者: 清沢 桂太郎  書店: 学術研究出版 

カテゴリー: 自然科学一般
ページ数: 132
サイズ: A5

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本の要約

動物や植物が表す生物現象は、実に多面的である。その中で、動物細胞も植物細胞も電子顕微鏡で観察すると、それらの微細構造は極めて似ている。そのような事実から、動物細胞も植物細胞も基本的には同じで、使いやすい動物や植物を研究対象として使えばよいという立場がある。
その一方で、発生学が扱う分野では、動物細胞と植物細胞は全く異なることが明らかになってきた。動物細胞は受精後、細胞分裂を繰り返すが、ある程度細胞分裂を繰り返した後には、もう元の状態には戻れないという分化が起こる。一方、植物細胞はいったん分化した後でも、細胞壁を酵素で溶解して裸の原形質体にした後、適当な培地に置くと数日で細胞壁を合成して、1カ月後くらいには芽生えと根に分化をして花を咲かせることができる。すなわち、植物細胞はどのような細胞にもなれる全能性という性質を持っている。動物細胞でも、受精後4,6日以内に受精卵の一部を取り出して特殊な培養液で培養すると胎盤以外の全ての細胞に分化しうる能力を持ったES細胞と呼ばれる多能性の性質を持った細胞になる。山中伸弥を中心とする研究グループは、すでに皮膚の細胞に分化した細胞に4種類の遺伝子を導入すると、ES細胞と同じような性質を持った多能性の細胞になることを発見しiPS細胞と名付けた。
本書では、このES細胞とiPS細胞の初歩的な事柄について述べる。本書では、さらに前書『細胞膜の界面化学』(学術研究出版、2020年)で取り上げた問題に関してやや異なる観点から論じ、生命の起源についても取り上げた。

著者のプロフィール

清沢桂太郎(Keitaro Kiyosawa)

1941年 千葉県市川市に生まれる
1960年 市川高等学校(市川学園)卒業
1961年 大阪大学理学部生物学科入学
1965年 大阪大学理学部生物学科卒業  楠本賞を受賞する
1969年 大阪大学大学院理学研究科生理コース博士課程中退 理学博士 
1969年―2005年 大阪大学大学院基礎工学研究科、及び生命機能研究科に勤務
植物細胞生理学・植物生理学・生物物理化学・溶液化学を研究

所属   関西詩人協会  日本詩人クラブ  溶液化学研究会

既刊詩集
第一詩集 『シリウスよりも』(2012年 竹林館)        
第二詩集 『泥に咲く花』 (2013年 竹林館)
第三詩集 『大阪のおじいちゃん』 (2014年 竹林館)
第四詩集 『ある民主主義的な研究室の中で』 (2014年 竹林館)
第五詩集 『風に散る花』 (2015年 竹林館)
第六詩集 『臭皮袋の私』 (2016年 書肆侃侃房)
第七詩集 『宇宙の片隅から』 (2016年 書肆侃侃房)
第八詩集 『浜までは』 (2019年 BookWay)
第九詩集 『道に咲く花』 (2019年 BookWay)     
第十詩集 『若き日の悩み』 (2021年 BookWay)
第十一詩集 『生きる ―独創的な研究者を目指して』 (2022年 学術研究出版、BookWay)
第十二詩集 『八十歳を越えて』(2023年 学術研究出版、BookWay)

自然科学書 『細胞膜の界面化学』 (2020年 学術研究出版、BookWay)
      『溶液化学と物理化学から見た新しい生物学とその周辺の課題』(2022年 学術研究出版、BookWay)