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カテゴリ:文芸(小説・エッセイ・評論)(34/180)

これでいいの? : 鯖江 友朗 | 風詠社eBooks





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タイトル: これでいいの?

著者: 鯖江 友朗  書店: 風詠社eBooks 

カテゴリー: 文芸(小説・エッセイ・評論)
ページ数: 200
サイズ: A5

書籍形式








 


本の要約

人は自分の行動を自分で決める。ただし、それは人が一人で生きることができるという意味ではない。
子供のときは意識できないけれど、やがて人は自分が世の中全体に助けられながら生活を送っていることに気が付く。それがいわゆる人と世の中との絆だ。
ほとんどの人は、毎日同じようなことを繰り返しながら生活をしている。ときどき、うれしいこと、楽しいこと、つらいこと、悲しいことが自分の身に起こる。絆のありがたさが分かるのはそんなときだ。一喜一憂という言葉があるが、喜びは気の合う誰かが側にいるとき、倍増する。ストレスで苦しいとき、親しくしている誰かと話し合うことができれば、憂鬱な気分が少しは楽になる。
この短編集は、多くの小説と同じように、日常生活の中での絆を取り上げている。そしてその絆を意識する手段として、できれば避けて通りたい厭な出来事も扱っている。したがって各作品の主人公は悩み、苦しむ。
では、各主人公はどんな結末を迎えるのだろうか?
それをここで明らかにするわけにはいかないが、ヒントはこの短編集の題名にある、とだけ言っておきたい。幻滅するような結末にはなっていない。だから、『これでいいの?』となっている。
ただし、結末が「甘すぎる」とか、「非現実的じゃないか」と非難する人もいるだろう。世の中にはぎすぎすとした関係も多いし、現実は厳しいからだ。
もし、どちらかを選べと言われたら、人は「甘さ」と「厳しさ」のどちらを選ぶのだろう。絆を信じることに焦点を当て、束の間だけでも心をホッとさせたいのだろうか。それとも現実を鋭く分析する内容を重視し、心情の機微や揺れをハッキリと読み取りたいのだろうか。
最後に一言付け加えたい。人生とは、いろいろな場面で、気持ちをどう切り替えることができるかに尽きると思う。この短編集はそういう意図で書いている。

著者のプロフィール

鯖江友朗(さばえともろう)
1952年、島根県浜田市に生まれる
2012年、定年退職
現在、神奈川県横浜市在住
趣味、酒、煙草、料理、月一の川崎競馬

他の著作
短編集『これってあり?』(風詠社 2012年)
編集『これでいいの?』(ブックウェイ 2013年)
短編集『これでもいいのかな?』(ブックウェイ 2014年)
中編小説『海軍と父と母…絆としがらみ」(ブックウェイ 2015年)
中編小説『これってオヤジのたわごと?』(ブックウェイ 2016年)
短編集『これって終活?』(ブックウェイ 2017年)
中編小説『漣の行方』(ブックウェイ 2017年)

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著者からのアピール

 この短編集の題名は『これでいいの?』です。これはいわゆるハウツー本なのかと思われたり、赤塚不二夫の漫画の『天才バカボン』で有名になった「これでいいのだ!」と同じ意図なのかと思われたりする人がいるかもしれません。
 実は小生の短編集一作目の題名が『これってあり?』なので、二作目も同じ体裁にしたのです。
 一作目では物語が展開していく過程で、木や空き缶が人に話し掛け始めます。もちろんそんなことが現実に起こることはあり得ません。でも人は折に触れ、自問自答することがあります。そんな情景を思い浮かべていただければ、「物」が話をする各作品を理解してもらえると思っています。
 題名の末尾に「?」を挿入したのは、各作品の結末について読者の感想はどうでしたか、と聞くためです。

 さて、『これでいいの?』には十一話の短編が入っています。主題は一作目と同じく人と人との絆の大切さです。
 ただし、第一話と第二話だけは実際にあり得ない結末にしました。その意味では一作目と似たような構成ですが、異なっているのは喜怒哀楽の中の「怒り」を前面に出していることです。
 なぜそんなことをしたのでしょうか。それは実際に起こされたある事件があまりにも悲惨な結果となり、小生は忘れることができないからです。小生には評論家の真似事をする意図はありません。でも忘れるべきではないと考え、小説にしたのです。
 第三話以降は人生の断面を切り取り、人との繋がりを描いたつもりです。男の視点が多少目立つかもしれませんが、我慢して読んでいただければ幸いです。
 誰でも同じだと思いますが、短編を書く際には切掛となる出来事を見付けなければなりません。小生もそれで苦労していますが、参考までにそのヒントとなった事柄を括弧の中に書いておきます。第一話と第二話については省きます。
第三話 強風 (食品スーパーでの出来事)
第四話 清流 (アホな登山家の滝登り)
第五話 乗換 (忘れ物をし、それが見付かったこと)
第六話 玄関 (産経新聞に掲載された曽野綾子さんの評論)
第七話 武器 (吉田松陰の辞世)
第八話 脇役 (イギリスの炭鉱映画とイチローの移籍)
第九話 釜飯 (キャバクラ嬢が客にもらったブランド品)
第十話 足元 (温泉宿の紹介)
第十一話 平原 (以前大使を務めた人の発言とインドでの実体験)

鯖江友朗

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