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カテゴリ:ビジネス・経済・経営(35/38)

金融の基本−仕組みと働き− : 岩佐 代市 | BookWay書店





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タイトル: 金融の基本−仕組みと働き−

著者: 岩佐 代市  書店: BookWay書店 

カテゴリー: ビジネス・経済・経営
ページ数: 284
サイズ: A5


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本の要約

本書は、金融の基礎的な概念や知識を得るためのテキストとして書かれたものである。しかし、執筆に際しては、本書が金融に関わる問題を筋道立てて考え、理解するための手だてともなるよう心がけた。表現もできるだけ平易にし、わかりやすい解説となるように努めた。ただし、口当たりが良く、消化もしやすいという内容には必ずしもしていない。専門的な用語を単に覚えるだけではなく、じっくり文章を読むと同時に、自らしっかり考えるための素材として利用されることが期待されている。

したがって、本書は、手っ取り早く知識を得たり、用語の意味を知ったりするための辞書代わりに用いるのには向かないと思われる。用語の意味を知るだけなら、インターネットで検索をかける方が効率的でもある。本書では、むしろ事柄や現象の歴史的推移や変遷、および論理的な関連性などを含めて学んで欲しい。文脈を離れては言葉の意味も真に理解したことにはならないからである。そのためには、「細部を覚える」のではなく、「書物を読む」という労苦を厭わないで欲しい。

もっとも、本書とて、辞書代わりとすることは全く不可能でもない。巻末の用語索引を利用して該当の章を参照することができよう。また、金融の世界では外国語(特に、英語)が頻繁に利用されるため、用語の英語表現も併せて掲載しているので参考になると思われる。

本書は大学や大学院初年度のテキストとして使用することを前提に、1学期の間に読了できるボリュームと章構成にしてある。また、各章はすべて三節構成とし、それぞれをほぼ均等なページ数にすることで、どの節も均等の「読書エネルギー」を使って読み切れるように配慮してある。章の中には、末尾にやや応用的な内容の関連トピックを掲載したところもある。内容理解を深めるために、これもぜひ読まれるよう期待したい。なお、本書には推奨すべき参考文献を掲載していない。学習をさらに深める意欲のある人はみずから文献渉猟されたい。その努力もまた学びに通じると信じるからである。

金融と言えば、従来は企業金融(コーポレート・ファイナンス)が中心であり、個人にとっては概して縁遠い存在でもあった。しかし、今は企業金融に代わり、個人金融(パーソナル・ファイナンス)の分野が比重を高めつつある。とりわけ少子高齢化の中で、各個人は老後の生活設計とそのための資産運用等に意を払うことがますます重要になってきている。金融を知らずには個人生活さえままならないのである。昨今は個人にも、情報リテラシーに加え、金融リテラシーが求められている。個人向けに助言等を行う専門家としてのファイナンシャル・プランナーの存在が重要視されつつある所以でもある。

ただし、そもそも金融はその中身や実体を具体的に把握しづらい面があり、また今日の金融の世界は実に複雑な様相を呈しているため、多くの人は取っつきにくい領域だと考えるきらいもある。ところが、金融の基本中の基本をまず理解すれば、取っつきにくさは一気に解消されよう。金融とは何かをまず率直に理解し、取引が行われる場としての金融システムの機能、それを構成する金融機関や金融市場の役割等を理解すれば、金融の世界もうんと近づきやすくなる。

そこで、本書はまず第一に金融の基本をしっかり学ぶことに重点を置いた。基礎的な概念や知識を得るとともに、基本的な考え方も学んで欲しい。

第二に、本書では金融取引の場としての金融システムの機能とその制御に力点を置いている。金融機関や金融市場の制度面や仕組みを理解した上で、金融システム全体の持つ働きや機能、およびそれが時に不安定化してきた経験を踏まえ、その機能の適正化を図る制御の仕組み(金融規制をはじめとするプルーデンス政策やセイフティネットの現状)を理解して欲しい。その点については、特定の章(第13章)に限らず、各所で必要な限り言及されている。

第三に、金融の現象や取引の実態、そして金融システムの機能のあり様は、絶えず変化して止まないことを踏まえ、これまでの変遷、現状、これからの推移という動学的な視点での理解を促す記述を行っている。経済は生き物と言われるように、金融の世界でも特に近年は変化・変動、そして進化・変革が激しい。物理学的な分析と併せて、生物学的な観察が必要だとも言えよう。

第四に、さまざまの金融理論について、詳細を論じることは避け、数式の多用も抑制し、理論の趣旨や概要をわかりやすく解説することとした。また、金融政策は個人にも身近で重要な事柄であるが、専門性が高い領域でもあるため、本書では独立の章を設けて詳細に論じることは止め、必要な箇所でおりおり触れることとした。これも専門的な内容に過ぎると、かえって読者の理解の努力を萎えさせかねないという懸念があるからである。理論や政策については、優れた書物も多くあるので、本格的にはそれらを参考にして欲しい。

第五に、本書はテキストとして意図されているが、必ずしも学会で定着した内容ばかりが整理されている訳ではない。他方で著者独自の意見も盛り込まれている。しかし、全体的には、断定することを避け、基本的には読者の判断に委ねる形としている。なお、経済学の他の領域と同様に、金融の分野でも、学会で確立した命題ばかりが整然と集積されているという訳ではなく、論争に決着がつかず未確定のものも少なくないのが実情である。

最後に、既述のごとく、章によっては、末尾に関連テーマをトピックとして添付してある。各自でこのようなトピックについて自由に考えてみるのも興味深いであろうし、金融の理解を深めることにも資すると考える。なお、トピックの記述も学会で定着した内容のものとは必ずしも限らない。

本書で基礎を理解した後は、実際に金融取引を実践するなり、新聞その他のメディアを活用して常に実際の金融現象に関心を持ち続けられたい。それこそが、真に知識や理解が身に付くために不可欠な作業である。

本書に込めた筆者の意図が十分に達せられているかは、もちろん読者の方々の評価に待つしかないが、そのためには、まずはしっかり読み込んで頂きたい。

著者のプロフィール

関西大学教授

●略歴

1951年福井生まれ。神戸大学・大学院、神戸大学専任講師・関西大学助教授を経て、1991年より現職。経済学博士(神戸大学)、CFPⓇ認定者。


●主要著書

『実学としてのパーソナルファイナンス』(共著、中央経済社) 2013年

『地域金融システムの分析』(編著、中央経済社) 2009年

『金融システム−構造と機能の変容、および制度と規制の変革−』(関西大学出版部) 2002年

H.ミンスキー著『投資と金融−資本主義経済の不安定性−』(翻訳、日本経済評論社) 1988年

『金融』(共著、有斐閣) 1993年

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