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カテゴリ:文芸(小説・エッセイ・評論)(30/180)

これってオヤジのたわごと? : 鯖江 友朗 | BookWay書店





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タイトル: これってオヤジのたわごと?

著者: 鯖江 友朗  書店: BookWay書店 

カテゴリー: 文芸(小説・エッセイ・評論)
ページ数: 200
サイズ: A5

特記:

電子書籍(550円)は BookWay コンテン堂店 でお買い求めください。

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本の要約

オヤジとは何だろう。

漢字に直すと、親父となる。インターネット・サイトにある語源由来辞典には次のように説明してある。
「親父は、旧かなが「おやぢ」であることから解るとおり、「おやちち」が転じ語である。上代には男子の敬称として父を「ち(ぢ)」と言っていたため、転じなくても「おやぢ(おやじ)」となるが、男親を父と呼ぶようになって、生じた言葉なので、「おやちち」の転となる。
「おやじ」は「親父」のほか、「親爺」「親仁」とも表記される。
「親爺」は「おやじ」が老人をいうこともあることから、「親仁」は「仁」に「いつくしみ」や「おもいやり」の意味があり、おやじに敬意をあらわしたものと考えられる」
親しみがある呼称としてのおやじは、成長した息子が父に対し使うのがふつうだが、男の従業員が社長のことを、政治家秘書が自分の先生のことをおやじと言ったりもする。

由来などはさておき、親父、おやじ、オヤジを使った慣用句と言えば、
 地震・雷・火事・親父
 ダメおやじ
 頑固親父(おやじ、オヤジ)
 オヤジギャグ
 オヤジギャル
 オヤジ狩り
などが思い浮かぶ。

地震雷火事親父はかつて怖いものの代表だった。しかし世相の変遷とともに、父親の権威は失われたようだ。これは男女同権・男女平等が叫ばれ始めたことと無縁ではない。とは言え、昭和四十年代後半に漫画でダメおやじが登場した背景には、家計を支える大黒柱としての父親の復活が望まれたからに違いない。その風潮の一端として頑固親父が残っているような気がする。だから今の時代、頑固親父を見聞きするのは、昔からの仕込み方法にこだわる居酒屋などだけなのだろう。
昨今、オヤジギャグやオヤジギャルという言葉を耳にする。ここでのオヤジにもかつての権威はない。あるのは一回り小さくなった、いわゆる庶民的な父親像だ。その意味ではオヤジが微笑ましい存在になっていると言えなくはない。
一方、オヤジ狩りの対象となるオヤジは、オヤジ狩りをする当人と同じく、取るに足らない存在となってしまう。その当人たちの心の奥底に、理想の父親像があるとも考えられない。

この物語には、二人のオヤジが登場する。二人はどんなオヤジなのだろうか。
彼らには「いつくしみ」や「おもいやり」があるのだろうか。会社や役所にいるオヤジと、いや、家にいる、隣近所にいるオヤジと、どこがどう違うのだろうか。こんなオヤジばかりだと、世の中はどうしようもないのだろうか。

この本を読み終わった読者には、『これってオバサンのたわごと?』として、もう一度中身を振り返ってもらいたい。つまり登場する二人の男を女にし、取り巻く環境などを少しだけ変更させる。
たとえば各章を別の日付にし、第一章の場面をホテルでのランチ・バイキングとし、第二章をPTA会合後の喫茶店にしてもいい。もちろんその変更は読者それぞれの想像力に委ねられるもので、著者が関与できるものではない。それだけはあらかじめここで断っておく。男女平等はさて置き、本編はオバサンのたわごととしても、なお意味が通じると思う。
読者からは、無責任かつ欲張りだと非難されるかもしれないが、本書一冊が二通りの情景を描くことができればいい、と夢想している。

著者のプロフィール

鯖江友朗(さばえともろう)
1952年、島根県浜田市に生まれる
2012年、定年退職
現在、神奈川県横浜市在住
趣味、酒、煙草、料理、月一の川崎競馬

他の著作
短編集『これってあり?』(風詠社 2012年)
編集『これでいいの?』(ブックウェイ 2013年)
短編集『これでもいいのかな?』(ブックウェイ 2014年)
中編小説『海軍と父と母…絆としがらみ」(ブックウェイ 2015年)
中編小説『これってオヤジのたわごと?』(ブックウェイ 2016年)
短編集『これって終活?』(ブックウェイ 2017年)
中編小説『漣の行方』(ブックウェイ 2017年)

著者からの書籍PR

 この本は定年退職が近い二人の男(オヤジ)の話です。
 登場人物はこの二人だけ。
 元日に彼らは川崎競馬場へ行き、競馬を楽しむ。しかし特定の馬や騎手を話題にするわけではない。くも膜下出血と入院を切っ掛けに、彼らは、どこにでもいる中高年のオヤジの頭に浮かぶことについて話し始める。
 したがって、葬儀、身辺整理、余命告知などにも触れていく。今考えなくてもいいことだが、いずれ誰もが直面することだ。
 こんな話題は、競馬にも正月にも似つかわしくないけれど、一年の初めだからこそ、意義があると言えないだろうか。

 なお各レースに登場する馬や騎手については、数年前の元日に開催された実際のレース結果を利用させてもらった。川崎競馬ファンには懐かしい馬の名前が出てくるはずだ。登場した騎手は現役で走っている。
 馬券の買い方について意義がある人もいるだろうが、これは著者の実体験などに基づいている。

 本文の内容についてはさて置き、ここ数年、元日の川崎競馬では快晴または晴れが続いている。決して寒くはない。南関東に住んでいる読者には、ぜひ元日の川崎競馬場に来て、青空と広い空間を楽しんでもらいたい。川崎大師への初詣での後なら、購入する勝馬投票券(馬券)にご利益があるかもしれない。

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