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カテゴリ:文芸(小説・エッセイ・評論)(137/180)

武州かわごえ 繋舟騒動 : 福本 武久 | BookWay書店





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タイトル: 武州かわごえ 繋舟騒動

著者: 福本 武久  書店: BookWay書店 

カテゴリー: 文芸(小説・エッセイ・評論)
ページ数: 376
サイズ: A5

特記:

電子書籍(525円)は BookWay コンテン堂店 でお買い求めください。

書籍形式








 


本の要約

江戸時代……。武州川越は東国の穀倉といわれ、あらゆる物資の集散地でした。川越にあつまった諸物資は陸路ではなく、舟にゆられて江戸に運ばれてゆきました。
 城下の東には松平伊豆守がひらいた細い川筋がいまもあります。新河岸川といわれ川越と江戸を結ぶ重要な水路でした。河岸場には、つねに500艘もの高瀬舟が往来していたのです。この新河岸川を舞台にして嘉永3年、藩をゆるがす騒動がもちあがりました。
 舟賃の値上げをめぐって、船頭、舟問屋、川越商人が3つどもえの様相! 船頭たちは2度にわたって舟を繋ぐという実力行使に出たのです。江戸では米騒動が起こり、川越では諸物価が高騰してたいへんな騒ぎとなりました。
 本作品は河岸のリーダー・炭屋半蔵が、利害対立する舟問屋をとりまとめ、川越藩、船頭、商人、街道の馬子たちの間に立って奔走する姿をえがいた歴史・時代小説です。

著者のプロフィール

京都生まれの京都育ち。しかし今はなぜか埼玉に在住。同志社大学法学部卒業。小説「電車ごっこ停戦」で第14回太宰治賞を受賞する。主な著書:小説『電車ごっこ停戦』『織匠(上・下)』『湖の子たちの夏』『新島襄とその妻』『疾走する家族』、エッセイ集『ここだけの話だけど』『企業のトップはこれを読む』、ルポ『ボランティアを生きる』『夢があるからがんばれる』など多数。現在、小説(知的障害児と家族をテーマにしたもの、歴史に素材をもとめた伝記物、スポーツを背景にした青春物)、エッセイ、ドキュメンタリー、児童文学(創作)などを中心に、執筆活動をつづけている。

「福本武久の小説工房」
 http://www.mars.dti.ne.jp/~takefuku/
「駅伝時評Web」
 http://ameblo.jp/ekiden-web/

著者からの書籍PR

幕末いわば日本の「夜明け前」をえがいた歴史小説です。あの高名な島崎藤村の『夜明け前』の舞台は中山道ですが、本作品は川越・新河岸川という舟路です。

先日、作品の舞台となった新河岸・旭橋にゆくと、河川敷には菜の花が咲き乱れていました。歴史の檜舞台となった界隈、いまは強者どもの夢のあとといった風情でした。

江戸後期の日本、政治的にも経済的にも混乱がふかまるにつれて、旧勢力(藩・武士)と新興の市民層(川越商人、河岸問屋)、さらに新しく台頭してきた労働者層(船頭や馬子たち)との利害が、ことごとく対立して激しいにらみあいがつづきます。日本の「夜明け」はそんなところから兆してくるのですが、この物語は、ひとつの騒動を通じて幕藩体制が崩壊してゆく道筋を照らしております。