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カテゴリ:生活、スポーツ(2/2)

私の体をつくった美味しい料理とワイン アムール・ドゥ・ラ・キュイジーン : ギー・ドゥ・ラ・ルペル 訳者:杉田史子 | 風詠社eBooks





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タイトル: 私の体をつくった美味しい料理とワイン アムール・ドゥ・ラ・キュイジーン

著者: ギー・ドゥ・ラ・ルペル 訳者:杉田史子  書店: 風詠社eBooks 

カテゴリー: 生活、スポーツ
ページ数: 132
サイズ: A5

特記:

電子書籍(1,100円)は BookWay コンテン堂店 でお買い求めください。

書籍形式








 


本の要約

〜 はじまり 〜

「フランス料理が世界で一番」というと謙虚な言い方ではないかもしれませんが、フランス料理は私が生まれてから最初の18年間、常に日々の暮らしの背景としてあったものなのです。とびっきり味にうるさい両親に育てられたのですから。人の舌は、よく画家のキャンバスに喩えられます。キャンバスにはいろいろなサイズがあり、木の枠にぴんと張られ、全体に下地剤が塗られています。そのキャンバスにゆっくりと絵の具がのせられ、形が描かれていきます。この人生最初の15〜20年が、その後の人生の味覚を形作るのです。

母はコニャックから遠くないシャラント地方で生まれ、ボルドーで育ちました。祖母がそこで有名な家庭のシェフとして働いていたからです。アキテーヌ地方はボルドーを中心とするワインの産地で、「ボルドー人」の母はこの地方の香りとワインの影響を受けて育ちました。
父はパリで生まれましたが、家族のルーツはブルゴーニュにありました。父の両親は高級レストランに通う美食家でした。父が食通になったのも不思議ではありません。

そして、戦後10年経った1955年頃に、美食家だった父方の祖父母がアメリカに渡ってレストランを開いたのは当然といえば当然であり、その経営を私の両親が引き継いだのです。フロリダ州パームビーチにあったこのレストランの名は、「モン・プレジール」(「喜んで」の意味)。しかし、時代は50年代中頃。少々、時代を先取りしすぎていたようです。困ったことに当時のアメリカ人は、「カン風トリップ(臓物の煮込み)」だの「鴨のコンフィ、セープ茸添え」「エクルヴィス(ざりがに)のサラダ」「サーモンのムスリーヌ」「ブルゴーニュ産エスカルゴ」「ブフ・ブルキニョン」「ポーチドエッグのモルネソース」など、全く知らなかったのです。今日ならばこのようなご馳走を食べようとして行列ができるのでしょうが、当時はマッカーサー、アイゼンハウワーやケネディーの時代で、アメリカ北部から冬を越すためにやってくる「渡り鳥」と呼ばれる人たちや地元の人には、このレストランの料理は少し「ハイカラすぎ」でした。


このようなアメリカ人にフランス料理の謎を解き明かすには、ジュリア・チャイルドなる人物の登場を待たなければなりません。1963年に「ザ・フレンチ・シェフ」という番組の放送が開始されると、彼女は、その魅力的なさえずるような声で、アメリカ人の食に対する考えを一変させていきました。もちろん、一夜にしてなし得たわけではありませんが。ところで、神は突然、彼女のもとに舞い降り、ある日突然、彼女は料理に目覚めたそうです。彼女がニューヨークタイムズの取材で語ったところによれば、それは、フランスのルーアンのとあるレストランでのこと。牡蠣料理、さらに舌平目のムニエル、それにぴったりの美味しいワインという食事をした時、「魂の扉が開かれた」のだそうです。なんと美しい表現でしょう!


この本の目的は、私がこれまでの人生で味わってきた素晴らしい香りの数々をお伝えすること。私の食の旅は終わってはいませんが、途中経過をいったん本にして、皆さんに知ってもらいたいと思いました。今、私たちが生きているのは、エキサイティングな時代です。食べたり飲んだりすることに関心をもち、そのことがさまざまな意味での喜びにつながると、多くの人が気づきはじめているのですから。

ところで唐突ですが、皆さん「バラ」という漢字、書けますか? 一見、難しそうですが、次のページを見ながら書いてみてください。

ほら、ちゃんと書けたでしょう? 「フランス料理」も同じです。「自分で作るのは難しそう」と感じるかもしれません。でも、この本を見ながら作れば大丈夫。誰にでも作れるのです。その素晴らしい味や香りを、是非、お楽しみください。

         ボン・ターブル(Bonne table)!

著者のプロフィール

ギー・ドゥ・ラ・ルペル

著者はプロの料理人ではない。しかし、料理の才能に恵まれ、料理への強い愛情を持って料理を作り続けてきた。両親はレストランの経営者だった。そして、2人とも料理が大好きであった。ファーストフードが横行する今日であるが、著者は家庭料理の大切さを強調する。著者いわく「舌を教育しなければならないと両親が始終言っていたが、それが正しかったと思うようになった。」

父方はブルゴーニュ、母方はボルドーとイタリア北部のピエモンテにそのルーツがある。この対照的な両親の家庭の味がうまく組み合わさって、著者の家庭の味はますます旨味たっぷりとなった。千葉在住25年。トリュフ、フォアグラ、アヒル、さらに数多くの山羊のチーズで有名なフランス・ドルドーニュにも、19世紀に建てられた古民家を所有する。